私立高校で学費滞納が急増
全国私立学校教職員組合連合の発表資料によると、私立高校で3か月以上学費を滞納している生徒が、2009年上半期だけで4891人にも上っているそうです。
この調査は、全国私立学校教職員組合連合が32都道府県の中学高校462校のおよそ32万人の生徒を対象に行ったもので、これは、特に私立高校では全国の私立学校総数1321校の約25%の学校数・生徒数の調査となっています。
調査結果で挙げられている主な点としては、
・経済的理由で中退した生徒のいる高校数は報告校の4 2.5%(315校中134校)
・3ヶ月以上の滞納を抱えている生徒のいる学校は6 6.0%(315校中208校)
・経済的理由による中退生徒数は、315校で513人
・学費未納で卒業証書が保留となる学校が229校(高校)中、146校(64.0%)
2009年は昨年2008年年に比べても滞納率が深刻で、特にいわゆる「受け皿校」として機能している地方の私立高校で、経済的に追い詰めれているケースが増加しているということです。
私立中高生の経済的理由による退学と学費滞納調査事例
(北海道・東北ブロックD校より)
父親が急に解雇され、母も無職のため母方か父方の実家に身を寄せるために退学を余儀なくされた生徒がいます。本人も担任も断腸の思いです。学費滞納者も少なくありません。入学予定者で入学にかかわる諸費用の納入が困難な方もいます。今後が心配です。
(北海道・東北ブロックE校より)
高1の生徒は入学してまもなく、減免や奨学金の申請もすることなく経済的理由で中退した。高2の生徒は県外からの入学生で父親が会社を経営し、数ケ月前から苦しい状態が続き、転校を考えていたようだ。年度末に経営が厳しいという理由で担任に退学を申し出、退学した。その後通信制か地元の高校を探すと話していた。
(北海道・東北ブロックF校より)
公立中学校でも学級費未納で卒業した生徒です。夫が通年出稼ぎで母親は無職、パチンコ屋に入り浸っている。生活費はあるようだが学校に支払う金はないと、学費を払う気持ちに欠けている。再三の呼び出しや家庭訪問にも応じない。
(北海道・東北ブロックG校より)
① 1、2年時に何の問題もなく女子の仲間たちと楽しく過ごしていた女子生徒。3年に進級が決定してクラス替えも行われ、新たな生活を送ろうとしていた時に担任に母親から連絡が入った。「下の子が私立高校に入ることになったので2人分の学費は出せない。
上の子に退学して働いてもらうことにしました」とのことで担任は愕然とした。それま で一切滞納ぱ無く、本人の学校生活も何の問題も無かっただけに晴天の詳言だった。し かし家庭の事情に担任も級友も口を挟むわけにはいかず、結局経済的理由で退学した。
② 髪の毛を気にするおしやれな男子生徒。欠席は多かったものの進級に響くほどではな く2年に進級した。しかし2年の終わり頃父親の会社が倒産し、そのあたりから本人が 休みがちになった。新担任、旧担任、父親、本人と何度か会談を持ったが「学校に合わない」と理由をぼかしてしまい、学校に足が向かなくなった。調べてみると1年の11月から2年の3月まで授業料が未納であった。
(北海道・東北ブロックH校より)
Aさんは平成20年4月に高校2年に進級した。月払いの学費は4月~11月まで滞ることなく引き落とされていた。 5月上旬に一括納入する学校内模試代、遠足代、保険代などはなかなか振り込まれず、生徒のアルバイト代から現金で担任に手渡しされた。修学旅行費が滞るのではないかと本人は何度も「お金、大丈夫かなあ」と担任にもらすことがあった。 10月頃から生活が乱れ、「もう学校なんかつまらない」と言うようになったが、家のことは担任にも何も言わなかった。 11月に入っていよいよ資金繰りが悪化したのか家の事情を話してくれた。平成19年に父の事業が失敗し、倒産した。何とか学業を続けようとアルバイトしながら学費を捻出してきた。自分の好きなように使えないアルバイト代、特に勉強が好きだというわけではない。そんな生活にイヤ気がさしてきた。だから生活態度も乱れた。
家族で今後の生活について話し合い、本人は学校を辞めて父と実家がある他県へ出稼ぎに行き、母と姉(専門学校に通いながらアルバイト)、妹(県立高校1年)は福島に残ることになった。
学校に退学届けが出され、家族は別れた。父は実家のつてで仕事につき、本人もしばらくアルバイトした。しかし自動車免許がないことがネックになり2月に本人は福島に戻ってきた。福島のコンビニでアルバイトして自動車免許を取得するお金をため、免許を取得したらまた父のもとに戻るそうだ。それ以降のことはわからない。
事例はいずれも全国私立学校教職員組合連合の発表資料から紹介しています。